Heaven~第一章~
憂鬱な気分と一緒にスマホをカバンに捩り込んだ。


けどそれも意味がなかった。


マンションの来客用の駐車場にビックスクーター。


「椿」


そこには獅朗の姿があった。


「桐谷の所に言ってたのか」

「……」

「椿、」


何も言わない私の腕を獅朗が掴みその足を止めた。


「飯食ってんのか?」

「え?」


獅朗は掴んでいる私の腕をマジマジ見つめ「痩せた」と小さな声で呟いた。


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