Heaven~第一章~
「何で今言うかなぁ……――。学のことしか考えられない」

「桐谷は死んだんだ。その目で見たんだろう?死んだ奴のこと考えてどうすんだよ!」

「うるさい!」

「桐谷は死んだんだ!」

「うるさい!うるさい!うるさい!」


掴まれている腕をブンブン振りながら叫んだ。


「椿、」

「うるさい!うるさい!」


何も聞きたくない。
何も聞きたくない。
何も聞きたくない。


ギュッと獅朗に抱きしめられ獅朗の腕の中
声を上げて泣いた。


「嫌いだよ!あんたなんて大嫌い!」


こうやって私の心にズカズカ入ってくる獅朗も
私を置いて逝ってしまった学も……――



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