Heaven~第一章~
「時間ねーから早くしろ」



そう言って蓮沼が私の膝の上にバサッと置いた。




  




「学のだ。それ羽織って行って来い」








学があの日着ていた真っ白だった特攻服。

茶色の染みがいくつも付いて、その白さは分からなくても、
大きな真っ赤な牡丹がそこに咲いていた。


何なんだよコイツ。
ムカつくぐらい勝手良いことするなよ……


私はそれを羽織り
蓮沼から渡された腕章を腕に付け車から降りた。


< 241 / 250 >

この作品をシェア

pagetop