Heaven~第一章~
蓮沼も一緒に車から降りると助手席から花束を取りだし「ほら、」と私に花束を渡した。


此処まで来て情けない。
足がすくんで歩けない。





「椿」





蓮沼に呼ばれ視線を向けると「行ってこい」と顎先でその先を指す。

ゆっくり、ゆっくり、
一歩ずつあの日の学に近づいて行く。

そこには居ない学の姿が見える。
何時ものように笑っている。

ゲラゲラ大口をあけて笑っている。












『笑えよ』










そう言って笑っている。


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