Heaven~第一章~
「どうして?」


私は獅朗にまた同じ質問をした。
獅朗は待っていたかのように、大人びた顔が悪戯っ子のように笑い


「椿を試した」


悪びれることなくそう言った。


「試した?」

「あぁ」


何かイライラする。
完全にコイツらのペース。

話が先に進まない。
この調子でいたら朝になってしまう。

今日は土曜日。
モタモタしていたら、ネットカフェもいっぱいになってしまう。
そうなれば行き場のない私は……


「で、話って何?名前だって素直に言ったんだから、聞きたいことあるなら早く言ってよ」

「桐谷学って知ってるか?」


また見知らぬ男の名前。



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