Heaven~第一章~
「いや、多分……ミヤジの情報は間違えないだろう」

「だよな。だよな」


今度は嵐に近づいて行く。


「間違えないって、私本当に知らないんだけど」

「さっきのファミレスまでは何で来た?」

「何って車だけど」

「黒いワンボックスのか?」

「うん」

「じゃあ、そいつの名前は?」

「名前?……学」

「ほら!」


ミヤジが嬉しそうにやっぱりと言って私を見た。


「名前は学だけど、堕天使とか聞いたことないし。私の知ってる学があんたらが探してる桐谷学って奴かは分からないじゃん」


嘘は言っていない。
学は知ってる。
だけど知ってるのは名前と携番だけ。

何処に住んでいて何をしているのか、そもそも年だって分からないんだから。


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