Heaven~第一章~
何も知らなくても困らない。
言っていることが本当か嘘かも分からない。
あの街はそう言う場所。

"自由"と"快楽"
それだけを求め集まる場所。

騙し、騙され、
それでも誰かを求め集まる場所。

そんな街で出会ったのだから、学のことを知らないのは当たり前。
学も私を知らなくて当たり前。

だから、学がコイツらが探してる学だとしても、私からは何の情報も得られない。


「それだけなら、帰りたいんだけど」


チラッと壁に掛けてある無駄にゴージャスな時計を見ると、日付が変わりそうだった。


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