Heaven~第一章~
スマホを取られたからってのもあるけど、聞きたい事があるからってわざわざ来てやったのに。
気分が悪い。

高層マンション。
黒の皮張りのソファー。
ばかデカイテレビ。
無駄にゴージャスな時計。

こんな場所を秘密基地なんて言ってしまう、このお坊ちゃまの思考が理解出来ない。

そう思うとフツフツと今更ながら怒りが湧いて来た。


「あのさ、あの街で私が何をしようと関係ないじゃん。もし私の知ってる学があんたらの言ってる桐谷学だったら何なの?ちゃんと理由も言わずに試すようなことばっかりで気分悪いんだけど!」


私と学があの街でしていることは非道理的こと。
だけど、今私がコイツらに言っていることは道理的こと。

興奮して一気に話す私を誰も何も言わずにただ見つめていた。


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