Heaven~第一章~
驚くほど早く『何だよ。椿』と学は電話に出た。
声はどことなく弾み楽しそうだった。


「あ、まな……」


ぶ。と言う前に嵐がスマホを取り上げ「桐谷か」と電話に出た。

さっきとは別人のような声。
これがそう言う世界に居る相手に対する声なんだろう。


「あぁ、三条だ。……桐谷があまりに無視するからな」


嵐はそう言って黙っている。
きっと学が何かを話しているんだろう。

嵐の視線が私に向けられ口元が緩み、不敵な笑みを浮かべる。


「桐谷の大切な人だから丁寧にふ扱うけど、桐谷の次第ってことは忘れるなよ」


何?
話違うよ!
迷惑かけないって言ったじゃん!





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