Heaven~第一章~
「椿!」と学の顔がまた近づく。


「俺から離れるなよ」


がっちりと学に肩を抱かれて歩いているのに、どうやったら離れるのよ。


「分かってる」


そう答えた私に満足そうに学が笑う。


「って言うか、店から呼びだしだったの?」

「まぁ、そんなとこだ。椿には関係ないから大丈夫だ」


きっと獅朗達とのことがあったからそんなこと言うんだろうけど、関係ないなら私なんて連れて来なければ良いのに。

周りに視線を向けてやっと気がついた。

学と一緒に居ると言うことは、一個人桐谷学だと居ることだとしても"堕天使"の桐谷学と一緒に居ると言うことなんだろう。


「視線が痛いんだけど」


帰りたいアピールをしても「気にすんな」と学は笑っている。


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