Heaven~第一章~
あの真っ赤な髪はどうかと思うけど、顔立ちは良いし人懐っこいし。
背だって高くてスタイルも良い。
おまけに"堕天使"のNo.2ならそっち方面の女子にモテるんだろうなとは思っていた。


「ヒマ……」


ボソッと呟いてまたホールの方へ視線を向けた。
一人の男と視線が合うと、その男が片手を上げ私に近づいて来た。


「連れが居なくなってさ」と急に話しかけて来て「何飲んでるの?」と私の空っぽのグラスに視線を向けた。


「空っぽじゃん。何飲む?おごるよ」


学も居ないし暇潰しの相手が見つかった。
その程度にしか思ってなかったから、男の話に適当に合わせていた。

そして、暇潰しと思っていたけど、あまりにつまらなさすぎて暇潰しの相手にさえならない。

そろそろ一人になろうと「あの……さ」と男に話しかけようとした時、急に隣に居た男の体が勢い良く反転した。


< 83 / 250 >

この作品をシェア

pagetop