Heaven~第一章~
「いや、本当にすみません」

「別にただ話してただけだよ。そんなに怒るなら連れて来なければ良かったじゃん」


学は私の腕を掴み自分の方へ引き寄せ「帰るぞ」と言って歩き出す。

「ちょっと、トイレ行きたいんだけど」

「あ?」

「トイレ!学がいつ戻って来るかわかんないから、トイレにも行ってないんだよ」

「……悪かったな」


学はそう言って「あの奥だ」とトイレの方を指差し「入口で待ってるから行って来い」と私の腕を離した。

時間にすればホンの数分。
なのに入口に居る学の周りには派手な女子達が囲んでいた。

学はその真ん中で壁に背中をあずけよりかかり、腕を組んで居た。

< 85 / 250 >

この作品をシェア

pagetop