Heaven~第一章~
♪♪♪
「椿、鳴ってるぜ」

スマホの画面を見てまたため息が出た。

「出ないのかよ」

「知らない番号なんだよね」

最近知らない番号から良くかかってくる。
少し前だったら何の躊躇いもなく出ていたけど、今はちょっと違う。

「取り合えず出ろよ。うっせーし」

「うん……もしもし、」

"出るの遅いんだよ"

「……誰?」

チイッと舌打ちが聞こえ"……獅朗だよ"と不機嫌な声が聞こえた。

「獅朗?」

驚いて学に視線を向けると学は笑っていた。

「何で番号知ってんの?」

"お前、まだ桐谷のとこに居るのかよ"

私の聞いたことはスルーして自分の聞きたいことを優先する。

「そうだけど、何。もうあんた達の街では何もしてないけど」

"分かってる"

「じゃあ、何?」

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