フェアリーサイン
第16羽、後悔





あの後、チャイムの音と同時に担任が教室に入ってきた。



みんな何事もなかったかの様に席に着いた。



出席を確認して、廊下に整列し、クラス全員で講堂へと向かった。




朝礼なんて校長の話をただ座って聞いているだけの、退屈な時間。



なんの有り難みもない物。




ずっと、そう思っていたけど今のあたしにとってすごく有り難い物となった。





このまま終わらなければいいのに。





いつもとは、正反対の願いを心の中で念じていた。







一分でも一秒でもいいから長く、なるべく長くここに居させて……。
< 100 / 120 >

この作品をシェア

pagetop