フェアリーサイン
その瞬間、講堂内はたくさんの生徒の笑い声が響き渡った。お腹を抱えて笑ったり、手を叩いたりしてみんなすごく楽しそうに笑っていた。
なかには、教師までも笑っているヤツがいた。手で口を押さえて、こぼれる笑みを必死で我慢している。
知らなかった。笑い方によってこんなにも人を傷つける嫌なものになるなんて……。
知らなかった。
けど、そんな磯野さんを見ててあたしがすごく恥ずかしくなった。
やっぱり、庇わなきゃ良かった……。
あんな子と友達と思われたら……。
あたしまで変な子だって思われそう。
胸一杯に広がる醜い気持ち。けど、姫梨ちゃん達の意見に背いたあたしにもう居場所なんてなくて……。
ただ、モヤモヤした気持ちを抱えながら、あたしは手をギュっと握った。