フェアリーサイン
「……何? さっきから人の事まじまじ見て」



遠慮なくガン見してたからか、ヤツはあたしの顔を覗き込む。



ていうか、近い!


「ち……ちょっと、離れて」

思わず、顔を逸らした。


何で? と聞き返しそいつはお構い無く近寄る。


ヤバい。顔と耳がすごく熱い。





「クスッ。可愛いー。真っ赤になって」


からかうような口振りで、言い放つとヤツは、あたしの肩に座った。


「ち、ちょっと……!」



「ねぇ……なんて言うの?」


耳に唇が当たるくらいの距離で溜め息混じりに囁くから鳥肌が立つ。



「……な、何が?」


けど、頑張って冷静に努めた。



「名前。教えてよ」



小さな指が頬に触れる。



な、な、なんか、声がエロいよぉ~!!





ていうか、吐息混じりに囁かないで!!






ヤバい。ヤバい。恥ずかしくて蒸発しそう!
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