フェアリーサイン
瞳に涙をいっぱい溜めて、それを無言で眺めていた。






「莉音、何してるの? 早く学校に行こうよ~」





遠くからサヤの能天気な声が聞こえてくる。





「…………うん」






すごく小さな声で返事をして、あたしは逃げるように姫梨ちゃん達の元へ駆け寄った。 







ゴメン……










ゴメンね……













ごめんなさい……











弱くて、バカで。







あたしは、自分を犠牲にするほど強くもなければ……。 








間違ってる事をしている友人に注意する事も出来ない弱虫なの。












分かってるよ……。間違ってる事くらい。











本当の友達なら、教えてあげるべきだよね……。










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