フェアリーサイン

もちろん、通学路だからたくさん人が通る。



めちゃくちゃあたし、変な人に見られた。


「そんなに焦らなくて平気だよ。鈴を鳴らした人間にしか見えないし、声も聞こえないから」


ヤツは、ヒラヒラと飛び回る。


「……そう」


他の人間に見えないなら、いいか……。




あたしは、足をゆっくり動かして、学校に向かった。



「けど、莉音って意外と性格腐ってるね?」




ヤツのその言葉にあたしの胸はズキッとトゲが刺さった様な痛みが走る。





「そう……?」





動揺しちゃダメ……。






自分が腐ってるのなんて、分かってる事。






あたし自身、自分に何度も言い聞かせた。








なのに……








何で、こんなにあたし動揺してるの……?






こんな、怪しい生き物の言葉に傷ついてるの……?


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