フェアリーサイン
「どっちにする?」
「どっちにもしない。別にあんたが見えるくらいなら見えないフリすればいいワケだし。だったら放置しておくよ」
ちょっと……いや、かなりうざいけどそこは我慢。
そう言い放って、あたしは歩きだす。
「えっ、オレを放置しちゃうの? けど、そーゆー事されるとスッゲーちょっかい出しちゃうよ。いいの? 廃人しちゃうよ」
マシンガントークで返事がくる。
「うっ……」
確かに、こいつに無期限で付き纏われたら、あたし廃人になるかも……。
「オレとしては、……歯向かえよ、あいつ等に。それをやってくれたら、ぐっすり寝れそう」
そう言って、ヤツは指を差す。
あたしは、その指差す方に目を向けた。
ヤツの指が差していたのは、姫梨ちゃん達の背中。