フェアリーサイン
第7羽、性悪説
夏休みが終わって、二日が経った。
授業が再開してしまって、本当にしんどくダルい毎日が続く。
ハァ……、夏休みが終わってもまだまだ暑くて、夏服を身に纏っているから気分が切り替わらない。
早く授業終わらないかな? 今、始まったから無理か……。
教科書を開き、ノートを出していかにも勉強してますな雰囲気を出しておきながら頭までは全く違う事を考えていた。
でも、これは、あたしだけじゃない。
みんな早く授業が終わらないかな? って思ってるはず。
「……クスクス……」
あたしの前の席の子達が、机をくっつけ小さな声で笑っている。
何となく、理由は見当がついた。
あたしは、磯野さんの方に視線を向けた。磯野さんは、あたしの席から左斜め前に座っている。
位置的に磯野さんの教科書の中身が見えた。