フェアリーサイン





人の本性は、悪だよ。








だから……いじめが起きるんだよ……。








そう思いながら、ノートに文法を書き写す。




――――カプッッ


そんなあたしの耳たぶをあのバカは突然、噛み付いてきた。


「いゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


-----ガタッ!!!!!


かなり、大声で叫んでしまった。だって、本当にびっくりしたんだもん。あたしは、耳を押さえながら椅子から立ち上がってしまった。


勢いよく立ち上がったから、椅子が倒れてしまった。


「えっ?」


「何?」


ケータイを見ていた子や寝ていた子、クラス全員の視線があたしに集まる。




「………………」



め、め、め、めちゃくちゃ……気まずい……。


みんな見てるし。何、コイツ? って思ってるのが分かる。だって、そんな表情してるもん。




こんなに、人に見られたのあたし生まれて初めてかも。





「よかったなぁ~。みんなお前を見てるぞ!! お前みたいなタイプの人間はこんなに人から注目されたことなんてないだろう~?」




あの、バカがあたしの周りをハエの様にチョロチョロ飛び回る。




あぁ……、今すぐこいつをハエ叩きで叩き潰してやりたい。





ていうか、どうやり切ればいいの????




「……市川……? ……お前、何がイヤなんだよ?」

< 57 / 120 >

この作品をシェア

pagetop