フェアリーサイン


「それから、良いお知らせが一つあります。
カワハピアノコンクール、中学の部でうちのクラスの生徒が優勝しました」


その言葉に、すごく騒つく。


すごくね? 誰? ってみんなキョロキョロ辺りを見渡している。



「ね? ね? 確か、そのコンクールってさ、姫梨ちゃんが出るって言ってたヤツだよね?」


あたしの後ろに座ってるカナが小さな声でミカに話しているのが聞こえた。


「だよね? なんか結構、デカいコンクールだから緊張するって言ってたね」




そういや、メールが着てたな。けど、あたしはおじいちゃんが亡くなっちゃったから東京(こっち)に居なかったんだ。



「えっ、マジで? じゃあ、優勝したの水瀬(みなせ)さんなの?」


そんなやりとりを聞いていた子が大きい声でカナ達の会話に口を挟む。



えー、すごい! さすが姫梨ちゃんだね!



そんな歓声があがる。




そして、この一言にみんなが姫梨ちゃんを注目する。
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