フェアリーサイン
第12羽、居場所
「ふぅ……」
教室の前で深呼吸。これはあたしの日課。
築何十年の古い引き戸のドア。木製で簡単に開くのに、あたしにはそのドアが重く感じる……。
中から聞こえる笑い声がさらに胃に重くのしかかるように感じる。
さぁ、今日も演技の時間。
楽しく笑って、1日を乗り切るんだ。
そんな自己暗示に近い言葉を呟いて、教室のドアを開ける。
けど……。