フェアリーサイン




「ねー、莉音メール見た?」





サヤが聞いてくる。 うわ、超直球。なんて、言おう……?




「……あっ、ゴメーン~! 返信、面白くしようと考えてたら学校着いちゃってさ」


ヘラッと笑って、誤魔化してあたしはみんなの色に溶け込む。



誰かに合わせて、テキトーに笑って、自分の気持ち誤魔化してればきっとそのうち、嫌な事は終わる。



そうして、居れば時間が過ぎる。あたしは、そうやって時間が過ぎるのを待っていた……。





きっと、これからも……。




「……莉音、やっぱり俺、お前が嫌いだ。これ以上、一緒に居たくないからお前の陽の気貰うよ」





そんな言葉が聞こえた。





いつものふざけた口調じゃない真面目な声。ていうか、冷たくて呆れてるそんな声色。






さすがに、その言葉に焦った。
< 92 / 120 >

この作品をシェア

pagetop