フェアリーサイン
「ねー、莉音メール見た?」
サヤが聞いてくる。 うわ、超直球。なんて、言おう……?
「……あっ、ゴメーン~! 返信、面白くしようと考えてたら学校着いちゃってさ」
ヘラッと笑って、誤魔化してあたしはみんなの色に溶け込む。
誰かに合わせて、テキトーに笑って、自分の気持ち誤魔化してればきっとそのうち、嫌な事は終わる。
そうして、居れば時間が過ぎる。あたしは、そうやって時間が過ぎるのを待っていた……。
きっと、これからも……。
「……莉音、やっぱり俺、お前が嫌いだ。これ以上、一緒に居たくないからお前の陽の気貰うよ」
そんな言葉が聞こえた。
いつものふざけた口調じゃない真面目な声。ていうか、冷たくて呆れてるそんな声色。
さすがに、その言葉に焦った。