フェアリーサイン
「えっ、ちょっと…!!」
思わず、口にして辺りを見渡したけど……。
あいつの姿はどこにもなかった。
「り、莉音?、どうしたの???」
ミカ達は、あたしを不思議そうに眺めながら何度も呼び掛けた。
「えっ? ……あー、ゴメン。立ったまま寝てたよ」
みんなの声にあたしは、ハッと我に返って適当に誤魔化した。
……いいじゃない。別に。あんなヤツ居なくても。
むしろ、清々する。
あたしは、手を強く握った。