メリー*メリー
「…本当に、泊まる場所、ないんだよね?」
コクコクと何度もレイは頷いた。
「…今晩だけだよ。明日泊まる場所は探すこと。それを守ってくれる?」
レイはパァッと明るい顔で微笑んだ。
*
帰り道をレイと一緒に歩く。
レイは物珍しい様子であたりを見渡していた。
この子は一体どこから来たのだろう。
なんで空から降ってきたんだろう。
さっき聞いたときはうまく交わされたような気がする。
そんなことを悶々と考えながら歩いていると「椎」とレイに呼ばれた。
「どうしたの?」
振り返ると、「ごめんなさい」と突然謝られた。
レイは申し訳ないというような顔をしている。
「驚かせてしまいましたよね。突然空から降ってきたから」
僕は素直に頷いた。
普通、人が空から降ってくるなんてことは起こらない。
それも、ふわりとゆるやかな速度で舞い降りるなんて。
「天使かと思ったよ」
僕が笑ってそう答えると、レイはきょとんとして数回瞬きを繰り返した。
そしてムッと頬を膨らませた。
「違います!」
「え?」
「天使じゃないです、雪の妖精です!」
「えっ?」
プンプンと怒っているレイの言っている意味がよく分からない。
僕はレイの言葉の意味を理解することを一旦諦めて、別の話題を提案した。
「とりあえず、家に帰ろう。雪がたくさん降ってきた」
牡丹雪はいつのまにか粒が小さくなり、空は白くかすんできた。
このまま、吹雪になってしまうかもしれない、
僕とレイは少し早足で家路を急いだ。
コクコクと何度もレイは頷いた。
「…今晩だけだよ。明日泊まる場所は探すこと。それを守ってくれる?」
レイはパァッと明るい顔で微笑んだ。
*
帰り道をレイと一緒に歩く。
レイは物珍しい様子であたりを見渡していた。
この子は一体どこから来たのだろう。
なんで空から降ってきたんだろう。
さっき聞いたときはうまく交わされたような気がする。
そんなことを悶々と考えながら歩いていると「椎」とレイに呼ばれた。
「どうしたの?」
振り返ると、「ごめんなさい」と突然謝られた。
レイは申し訳ないというような顔をしている。
「驚かせてしまいましたよね。突然空から降ってきたから」
僕は素直に頷いた。
普通、人が空から降ってくるなんてことは起こらない。
それも、ふわりとゆるやかな速度で舞い降りるなんて。
「天使かと思ったよ」
僕が笑ってそう答えると、レイはきょとんとして数回瞬きを繰り返した。
そしてムッと頬を膨らませた。
「違います!」
「え?」
「天使じゃないです、雪の妖精です!」
「えっ?」
プンプンと怒っているレイの言っている意味がよく分からない。
僕はレイの言葉の意味を理解することを一旦諦めて、別の話題を提案した。
「とりあえず、家に帰ろう。雪がたくさん降ってきた」
牡丹雪はいつのまにか粒が小さくなり、空は白くかすんできた。
このまま、吹雪になってしまうかもしれない、
僕とレイは少し早足で家路を急いだ。