メリー*メリー
「予定がないんじゃないの?」

紗由は不思議そうな顔をした。

「うん。予定はないんだけどね」と僕は笑った。

「…親戚の子が今、泊まりに来ているんだ。だから、その子の面倒をみないといけなくてね」

僕は咄嗟に嘘を吐いた。

けれど本当のことを言ったところで信じてはくれないだろうと思った。

だって、天から舞い降りた雪の妖精と同居しています、なんて、誰が信じてくれようか。

「それなら仕方ないね」と紗由は眉を下げて笑った。

「ごめんね」と僕がもう一度謝ると、紗由は首を横に振った。

「気にしないでいいよ。親戚の子が来ているなら仕方ないし。それに私も他のこと遊ぶよ」

「さ、草取りに行こう」と紗由は明るく笑った。

僕は少し笑って「そうだね」と頷いた。
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