メリー*メリー
「君は迷子なの?そのレグナって人を探しているの?」
すると彼女はブンブンと首を横に振って「良かったです」と彼女は言った。
「ここに来たかったんです」
彼女はとても嬉しそうで穏やかな、安心したような顔をして胸に手を当てた。
「あ、あの、あなたお名前を聞いても良いですか?」
突然彼女は僕の方を見た。
「僕?僕は椎(しい)」
「椎…素敵なお名前ですね!」
そしてピョンと僕から一歩離れると、ふわっと回ってワンピースの裾を両手で広げ、ヨーロッパ貴族のあいさつみたいに上品にお辞儀をした。
「私はレイって言います!」
よろしくお願いします、と微笑まれた。
それで思わず、よろしく、なんて返してしまったけれど、これからよろしくする機会なんてないだろうに、と思った。
「レイの家はどこ?家まで送るよ」
そういうと、レイは首を横に振った。
「場所が分からないの?」と尋ねると「ないんです」という答えが返ってきた。
「家が、ないんです」
「…どういうこと?じゃあ今晩どこに泊まるの?」
すると微笑みながら見つめられた。
「泊まる場所も、ないんです。
椎、お願いがあります。
しばらく家に泊めてください」
「ええっ!?」
うちに、泊める?
今日初めて会った女の子を?
うちに!?
「お願いします」
一生懸命にレイは頭を下げた。
女の子をうちに泊めるなんて、という考えがよぎったものの、雪の降る見も凍る寒い夜に女の子を外に放りだしておくことも気が引ける。
すると彼女はブンブンと首を横に振って「良かったです」と彼女は言った。
「ここに来たかったんです」
彼女はとても嬉しそうで穏やかな、安心したような顔をして胸に手を当てた。
「あ、あの、あなたお名前を聞いても良いですか?」
突然彼女は僕の方を見た。
「僕?僕は椎(しい)」
「椎…素敵なお名前ですね!」
そしてピョンと僕から一歩離れると、ふわっと回ってワンピースの裾を両手で広げ、ヨーロッパ貴族のあいさつみたいに上品にお辞儀をした。
「私はレイって言います!」
よろしくお願いします、と微笑まれた。
それで思わず、よろしく、なんて返してしまったけれど、これからよろしくする機会なんてないだろうに、と思った。
「レイの家はどこ?家まで送るよ」
そういうと、レイは首を横に振った。
「場所が分からないの?」と尋ねると「ないんです」という答えが返ってきた。
「家が、ないんです」
「…どういうこと?じゃあ今晩どこに泊まるの?」
すると微笑みながら見つめられた。
「泊まる場所も、ないんです。
椎、お願いがあります。
しばらく家に泊めてください」
「ええっ!?」
うちに、泊める?
今日初めて会った女の子を?
うちに!?
「お願いします」
一生懸命にレイは頭を下げた。
女の子をうちに泊めるなんて、という考えがよぎったものの、雪の降る見も凍る寒い夜に女の子を外に放りだしておくことも気が引ける。