メリー*メリー
涙を流しながら「もう、椎のせいです!」と恨めしそうに言う。
「決めてたのに。覚悟してたのに。このまま消えることを、受け入れていたのに。
いなくならないでなんて、椎がそんなことを言うから、せっかく押さえていた気持ちが抑えられなくなるじゃないですか!」
「どうしてくれるんですか!」とレイは怒る。
「レイ…」
「嫌だよ。消えたくない…」
涙声が胸を痛くする。
「レイ」
顔をあげて、と僕は呟いた。
涙で濡れた顔をあげて、レイは不思議そうに僕を見る。
その小さな唇に僕のをそっと重ねた。
きっと1秒にも満たない短い時間。
それでも僕にはもっと長く感じた。
レイは驚きで固まっていた。
「いいい、今のって…?」
「キス」
「キス!?」
声がひっくり返ったレイは顔を真っ赤に染めて、両手で頬を包む。
…ほんと、いちいち反応が可愛い。
やさしくておだやかな気持ちが心に雪崩れ込む。
「レイ、好きだよ」
レイは目をまん丸にした。
「えっ、えっ!?」
驚いて手で口元を覆う。
その反応はすごく可愛くて、反動でもう一度キスしたくなって、口元を覆うその手を外そうと手を伸ばした。
レイの手は細くて少し暖かかった。
「え、あれ?」
レイと僕は目を見合わせた。
「手、触れる?」
すり抜けたはずの手が、ちゃんとレイの手を掴んでいる。
僕らはその手を見ながら唖然とした。
「え、ちょ、ちょっと待ってください!」
レイはそう言って僕の手を振り払うと、胸の前でまるで水晶を覗くようなポーズをした。
「降って」
穏やかな表情と声でそう呟くけれど、何も変化は起こらない。
「え、え、どうして!?」
レイは困惑していた。
「どうしたの?」と声をかけると、「どうしましょう、椎」と不安でいっぱいの声が返ってきた。
「能力、使えなくなっちゃいました」
「え?」
「決めてたのに。覚悟してたのに。このまま消えることを、受け入れていたのに。
いなくならないでなんて、椎がそんなことを言うから、せっかく押さえていた気持ちが抑えられなくなるじゃないですか!」
「どうしてくれるんですか!」とレイは怒る。
「レイ…」
「嫌だよ。消えたくない…」
涙声が胸を痛くする。
「レイ」
顔をあげて、と僕は呟いた。
涙で濡れた顔をあげて、レイは不思議そうに僕を見る。
その小さな唇に僕のをそっと重ねた。
きっと1秒にも満たない短い時間。
それでも僕にはもっと長く感じた。
レイは驚きで固まっていた。
「いいい、今のって…?」
「キス」
「キス!?」
声がひっくり返ったレイは顔を真っ赤に染めて、両手で頬を包む。
…ほんと、いちいち反応が可愛い。
やさしくておだやかな気持ちが心に雪崩れ込む。
「レイ、好きだよ」
レイは目をまん丸にした。
「えっ、えっ!?」
驚いて手で口元を覆う。
その反応はすごく可愛くて、反動でもう一度キスしたくなって、口元を覆うその手を外そうと手を伸ばした。
レイの手は細くて少し暖かかった。
「え、あれ?」
レイと僕は目を見合わせた。
「手、触れる?」
すり抜けたはずの手が、ちゃんとレイの手を掴んでいる。
僕らはその手を見ながら唖然とした。
「え、ちょ、ちょっと待ってください!」
レイはそう言って僕の手を振り払うと、胸の前でまるで水晶を覗くようなポーズをした。
「降って」
穏やかな表情と声でそう呟くけれど、何も変化は起こらない。
「え、え、どうして!?」
レイは困惑していた。
「どうしたの?」と声をかけると、「どうしましょう、椎」と不安でいっぱいの声が返ってきた。
「能力、使えなくなっちゃいました」
「え?」