メリー*メリー
「ど、どういうことでしょう?ていうか、どうしましょう?!」

僕は手を握って、困惑しているレイを抱き寄せた。

「うん、やっぱり」

「え?」

僕はレイを離して言った。

「レイ、いつもよりあったかいよ」

手も、身体も。

いつも冷たいはずの身体は、人間と同じように暖かい。

「え、え?」

レイはペタペタと自分の身体を触る。

「た、確かに。でも、なんで!?」

更に困惑するレイに僕はある推測を話した。

「レイ、もしかしてさ、人間になったんじゃないの?」

「え?!」

レイは驚きのあまり行動をピタリと止めた。

「だって、消えないでここにいて、能力も使えなくて、身体があったかくて。これって、そういうことなんじゃないの?」

思考を停止したレイは、しばらくして「…そうかもしれません」と呟いた。

「…消えなかった…」

レイは自分の手を見ながらぽつりと呟いてもう一度僕を見た。

「私、消えなかったです。でも、理由が分からない」

「うん。僕にも分からない」

僕はレイを抱き寄せた。

「でも、レイがここに存在してくれるなら、それ以上に嬉しいことはないよ」

レイ、と僕は愛しい存在の名前を呼んだ。

「好きだよ」

それからもう一度キスをした。






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