プラチナ思考
『ん?愛香、どうしたの?ボーっとしちゃって』
いつのまにか水野くんの姿はなく、美月はなんともないように食事をしていた。
『美月ってたまにすごくかっこいいよね』
『へ?なんで??』
『んー。わかんないならいー。
あ、そういえば、美月って学食使わないよね。なんで??』
『えー。だって高いじゃない。
それなら、ファミレスのドリア食べたい、
安いし。熱々だし。』
『ふーん。』
紙パックの紅茶を飲みながら美月をみると、美月はぶすっとふてくされたように話し始めた
『贅沢は敵なんだって。母さんが。
お小遣いも、テスト悪くなったら減らされるし、
愛香たちと遊ぶ時も使いすぎるとお家のバイトしなきゃなの。』
『ば、バイト?』
驚きを隠せなかった。長い付き合いのつもりが初耳なことがひとつ
『そう。洗濯物干したり。お使い行ったり』
バイトもそうだが、お小遣いということにも驚く。
『初めて知った。』
『まぁ、父親があれじゃあね。普通は贅沢三昧だよ』
『そうだよ。だって、あの北條グループのトップだよ?』
『その妻が一般ピーポーだからなのかな。暮らしは普通、父さんもなれたみたいだけど。』
紅茶を飲み終えたのか、ゴミ捨ててくるね。と、さりげなく愛香のぶんも捨ててくれた
どこまでも気が利く。
優しい友人
愛香は、ありがとう。とお礼を言って、自分の母親にラインをすることにした。
夕飯は北條家でいただく。と。