プラチナ思考
すき焼きの日
同時刻、双子たちにもすき焼きの日だと連絡が入った
『あ!今日すき焼きなんだ。』
父親に似て、目鼻立ちがよく髪の毛を若干明るくした拓磨はたくさんの女の子たちとお昼を食べていた。
顔が整っておるため、自然とモテる
背も高くすらっとしているのでたまに街に出ていけばモデルにどうか。とスカウトにあう
『えー。拓磨くんとこすき焼きなんだー。』
『いいなぁ。』『お肉美味しそうだよねー。』
周りがキャッキャ言うが拓磨はあまり気にしない。所詮、自分の容姿と家柄欲しさに近づいた相手たちだ。
父と違うのは、モテても来るもの拒まずではないところ。しっかり相手を選んで付き合う。
見た目の派手さに比べて大人しいのは母親譲りかもしれない
『うみーー。』
『なんだよ。』
女子にしか持てないわけではない。
性格も歪んだところなど一切無いため同性からも好かれる。
愛すべきバカとたまに呼ばれる
本人は至って真剣
『今日はすき焼きなんだー。』
『へぇ、』
『お前も来るよな?』
『はっ?意味わかわねーよ』
近くでお弁当を食べていた佐藤海がびっくりして箸を置く
『え。海、すき焼き嫌いなの?』
『いや、そうじゃなくて………』
拓磨の興味が海に行ったせいで女子たちはすこしムッとした
『拓磨くん。よぶなら私達にしてよ。』
そーよ。私たちのこと忘れてるの?
と、文句を言ってきた
『あぁ、女の子誰か呼ぶとみんな呼ばなきゃいけないじゃん。だからダメ。
あとさー、オレはコンビニのお弁当でお腹いっぱいなわけ。
きみたちの貴重なお弁当までいらないよ?』
さっと立ち上がって、海の近くに座った拓磨
こうなった拓磨は女の子は相手にしない。とわかったものは次々にその場から消える
まだ諦めていない子は残るが目線すら合わせてくれなくて、勝手に落ち込んでいた。
『相変わらず、オンとオフの使い方えげつないねー。』
『そう?で、海はすき焼き嫌いなの?』
『嫌いじゃない。でも、普通は相手の予定を聞いたりしてから誘わねぇか?』
海はまた弁当を食べ始める
すると、拓磨は海の弁当にあった卵焼きを1つ頂いた。
『うま。相変わらず美味しいよね。海の母さんの卵焼き』
もふもふと、食べる拓磨に海はため息つく
『さっきはいらねー。って言わなかったか?』
『女の子たちのお弁当はね。』
ニコッと笑えば文句は出ない。自分の母親に愚痴ったところであの北條家の次男が卵焼きを食ったくらいなんてことないさ!と言われてしまう。
『ハァァァ。お前、なんで研磨みたく大人しくしていないの?』
黒板のすぐそばの席でニコニコ談笑しながらコンビニのお弁当を食べている研磨
その向かいには控えめな性格の幼なじみがお弁当を食べていた。
『研磨は小さい時から景子一筋だよ?そんな人生つまんねーーーーって。』
『いや、そうじゃねぇ。』
『ん??』
『まぁいい。とりあえず、母さんには連絡したから。』
メールを入れたら即OKの返事
絶対母親も拓磨の容姿に騙されている。と海は思う
とにかく、今日はすき焼きだ。