王道恋愛はじめませんか?
「そんなの、かっ…関係ないじゃん!」
『関係なくないわよ!そうやって自分から出会いを遠ざけるから、いつまでたっても独り身なんじゃない。』
「っ……」
さすが親友というべきか。
私の現状をよく分かっておられる。
だけど…だけど、その説教は嘉人くんがいないときにして欲しかった。
『いい?この前も言ったけど、そろそろみのりも良い人見つけて、恋愛して、結婚を考えなきゃ。今回の合コンはいつも誘ってる合コンとは違うんだから、断ることなんてこの私が許さないから!』
「……。」
『…ここだけの話、明日の合コンはみのりのためにセッティングしたのよ。』
「えっ」
突然告げられた衝撃の事実に、私は静かに目を見開かせた。
私のため…?
『いっつも私からの合コンの誘いを断るから、好きな人でもいるのかと思ったけど、全くその気もないみたいだし。』
うっ……。
好きな人はいるけど、相手が芸能人だなんて言えない。
しかも、隣にいる嘉人くんの前で私の心の内も言えない。
何もかもが八方塞がりで、未来に反論する術も持ち合わせていなかった。