王道恋愛はじめませんか?
『――分かった。あんまりそういうことは得意じゃないけど、…出来るだけ、言うようにする。』
「約束だからね?」
『ああ。…だから、みのりも、隠さないで。』
彼が約束してくれたように、私も頷く。
彼の前では素直でいよう。
「――好き。」
溢れ出る想いを口にすれば、照れたように私を見つめる彼と目が合う。
「もう隠さないって決めたから。」
『参ったな。これじゃあ益々離せなくなる。』
そう言いつつも、なんだか嬉しそうな顔をする。
私の言葉ひとつで、こんなに嬉しそうな顔をしてくれる彼が、なんだか可愛らしい。
『みのりも随分、いつもより饒舌だね。』
「キャパシティーを超えちゃったんじゃない?」
『そうか、だとしたら、俺もだな。』と言う彼と微笑み合う。
いよいよ日も沈み切ってしまう頃、私たちはどちらからともなく、唇を寄せあったのだった。