王道恋愛はじめませんか？

『…君に似合いそう。』

「――え…っ？」


一瞬、杉原さんに言われた言葉の意味が、よく分からなかった。

似合いそうって…この、ウサギのストラップが…？


『いつ、作るの？』

「え？」


さっきから、私は疑問符しか口にしていない気がするのは私だけだろうか。

――いや、でも、それしか言葉にできないことが今、目の前で起こっているのだから仕方ないだろう。


『…ビーズアクセ。』


あ…。

不意に杉原さんから逸らされた視線。

見つめられた時はあんなにも恥ずかしさでいっぱいであまり見ないでほしいと思っていたのに、実際目を逸らされると何か物足りなさを感じている自分がいて。

私…何かおかしい……。


『――聞いてる？』

「えっ、あっ……えと…、できれば今週中には始めたいなって、思ってます、けど…。」


段々と語尾を紡ぐ音量が小さくなっていくことに気付いてはいても、治せない。

やっぱり、杉原さんを目の前にすると、緊張してしまう。


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