王道恋愛はじめませんか?



蛍光灯と銅線をつなぐ2ヶ所のうち、1ヶ所を外し終えたとき、電気を消しに行った城田ちゃんが戻ってきた。


「金曜にね、点検してるはずなのよ、ここの蛍光灯は。」

『そうだったのか?だとしたら、金曜の時点でコレだけは切れかけだったんじゃねーか?』

「ううん、それもそうとは言えないの。だって、広報部長に言われて、ここの蛍光灯は全部、切れてても切れてなくても新品に交換するように言われて、金曜のうちに全部取り替えたのよ。」

『そうですよね!?私もそれ、ちょっと引っかかってました!』


同調する城田ちゃんが、手際よく新品の蛍光灯を取り出してくれる。


『そうなのか?でも、そうだとしたら、なん――』

「あれ?」


まだ銅線につながったままの箇所に手をやり、蛍光灯を廻そうとしたとき、私は違和感を感じた。


『どうしたんですか?先輩。』


思わず手を止めた私の方へ、2人の視線が向く。


「これって、もしかして…」

『『?』』


今まで回転させていた方と真逆の方へ蛍光灯を廻しだし、外したばかりの箇所まで再度取り付けだした私に、2人から待っての声がかかる。


『なっ、何してるんですか!?先輩っ』

「いいからいいから。城田ちゃん、ここの明かり、つけてくれる?」



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