恋する歌舞伎
道玄とお兼は、お朝の親戚だといい伊勢屋を訪ね、主人を呼び出す。
はじめはしおらしく振る舞うが、『桂川』のお半・長兵衛を引き合いに出し(※2)、
年の離れた主人が、年端もいかない姪っ子を傷物にしたのだから百両を出せと脅す。
主人は全く覚えがないので、証拠があるのかというと、お兼が例の手紙を出す。
そこにはお朝の手で
「伊勢屋の旦那と関係を持ったことを後悔し、世間に顔向けができないので家出をする」
と書かれているというのだ。
主人は「誰が書いたかわからないではないか」と金を出さないので、道玄たちは店先で寝転び出し、営業妨害をする。
番頭が仲立ちとなり、五十両の金子で話がまとまりかけるが、そこへ登場したのが松蔵。
証拠とやらの手紙と、お朝の手習いの清書とを照らし合わせ、明らかに筆跡が違っていることを指摘する。
更に煙草入れを見せられ、太次右衛門殺しの件をほのめかされ形勢は逆転。手も足も出ない道玄とお兼はとうとう引き下がるのだった。
(※2)『桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)帯屋』14歳の娘と中年男が一夜の過ちから、最終的に心中を図るまでを描いた浄瑠璃のこと。恋する歌舞伎第20回でも紹介
はじめはしおらしく振る舞うが、『桂川』のお半・長兵衛を引き合いに出し(※2)、
年の離れた主人が、年端もいかない姪っ子を傷物にしたのだから百両を出せと脅す。
主人は全く覚えがないので、証拠があるのかというと、お兼が例の手紙を出す。
そこにはお朝の手で
「伊勢屋の旦那と関係を持ったことを後悔し、世間に顔向けができないので家出をする」
と書かれているというのだ。
主人は「誰が書いたかわからないではないか」と金を出さないので、道玄たちは店先で寝転び出し、営業妨害をする。
番頭が仲立ちとなり、五十両の金子で話がまとまりかけるが、そこへ登場したのが松蔵。
証拠とやらの手紙と、お朝の手習いの清書とを照らし合わせ、明らかに筆跡が違っていることを指摘する。
更に煙草入れを見せられ、太次右衛門殺しの件をほのめかされ形勢は逆転。手も足も出ない道玄とお兼はとうとう引き下がるのだった。
(※2)『桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)帯屋』14歳の娘と中年男が一夜の過ちから、最終的に心中を図るまでを描いた浄瑠璃のこと。恋する歌舞伎第20回でも紹介