恋する歌舞伎
しかし切腹したのは顔が瓜二つのニセモノで、ホンモノの勝頼は生きていたのだった!

しかもホンモノ勝頼は、ニセ勝頼の妻・濡衣(ぬれぎぬ)という女性と共に、この邸へスパイとして送りこまれている。

そうとは知らず、今日も夫になるはずだった勝頼の絵姿を見ながら香を手向ける八重垣姫。するとなぜか隣の部屋に、死んだはずの許嫁がいるではないか!

駆け寄ってくる姫に勝頼は「人違いです。僕は箕作(みのさく)という花作り師です」といってごまかす。

しかし姫は、許嫁とそっくりな彼に恋をしたといい、濡衣にこの男性との間を取り持ってほしいとお願いする。

やがて姫は、このそっくりさんがホンモノの勝頼ではないかという疑念が芽生え、濡衣とのやりとりから次第に確信に変わり、真実を明かして欲しいと必死に頼む。

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