恋する歌舞伎
なんと家老の一人が平家と繋がっているスパイで、一部始終を聞かれていたという、絶体絶命の大ピンチ。

しかしこの悪人を御簾内から長刀で斬りつけたのは、あのうつけ者の大蔵卿だった!

先ほどと打って変わった勇敢な出で立ちに驚く一同。

大蔵卿は元々源氏の血筋であるが、今は訳あって公家の身分で暮らしている。

つくり阿呆として暮らしていれば、平家からも疎まれないだろうと、20年以上芝居をしていたのだった。

鬼次郎夫婦には、自らの源氏再興の意思を頼朝や牛若(義経)に伝えてほしい。

また源氏の重宝友切丸を鬼次郎に託し、この剣で旗揚げするようにと命じる。

大蔵卿は夫のため、子のために、女の道に背いたのは貞女の鑑だと常盤御前を称えるのだった。

婚姻や恋愛が政治に影響を与える時代に生きていた女性の強さ、苦しさを、常盤御前の生き様から感じる人も多いかもしれない。

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