恋する歌舞伎
そこへ主の春道と錦の前が現れ、弾正の働きを称える。

姫はというと、薄衣を取るとやはり黒髪が逆立つが、つけていた髪飾りを弾正が言った通りに取ってみると、あら不思議!途端に髪が逆立つ奇病はおさまったのである。

このからくりは、髪飾りが磁石のようなもので引っ張られていたからだと説明し、こうなるためには
「頭上で磁石を操作している奴がいるはずだ」
と言い、槍で天井を突き刺す。

すると推理通り、磁石を持った怪しい男が落ちてきたのだった!

髪飾りは鉄製だったため、天井から引き寄せられ、逆立っていたとわかる。

黒幕の正体も暴き、事件も解決したことで安堵する一同。

錦の前は、婚約者とめでたく結婚できることを喜ぶ。

ちょっとスケベなところがたまに傷だが、観察力・推理力に長けた弾正は、皆に送られながらゆうゆうと退場するのであった。

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