恋する歌舞伎
ところかわって、ここは深川にある丹次郎の家。

ここには主人筋である千葉半次郎という男が身を寄せている。

なぜなら半次郎は、お家の重宝「残月」の茶入を預かる役目であったが紛失し、その咎により勘当の身となっているからだ。

そこで丹次郎も、半次郎と共に茶入を探している。

そんな中、仇吉は茶入を所持すると思われる男の手がかりをつかんだため、丹次郎にそのことを知らせる。

喜んでやってきた丹次郎に、仇吉は仕立てておいた羽織を着せてやるのだった。

いい雰囲気の二人のところへやってきたのは恋敵・米八。

彼女は嫉妬のあまり、その羽織をはぎとり、なんと下駄で踏みつけてしまう!

深川の売れっ子芸者二人の激しい女の闘いは、新聞沙汰となる騒ぎとなった。
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