大好きな貴方へ  愛を込めて


私達は、お墓の前で手を合わせる。

「ママぁ、なにしてるの?」

優奈が不思議そうな顔をする。

「手を合わせてお話するの」

「ふぅーん…ゆうなもぉ」

優奈は、手を合わせて目を瞑る。
私達も手を合わせて目を瞑る。

─ミヤビさん……
 裕ちゃんのこと……
 謝るのは私の方です。
 本当に、ごめんなさい。
 私、裕ちゃんの事すごく
 好きになって…
 諦められなくて
 すごく、すごく好きで…
 ミヤビさん、ありがとうございます。
 私絶対に裕ちゃんを幸せにしてします。
 裕ちゃんが幸せって思えるように…
 ありがとう─

私は、目を開ける。
隣には、まだ手を合わせている裕ちゃんの姿。
まだ、ミヤビさんとお話してるのかな?
私は、裕ちゃんが目を開けるまでただ、待っていた。
裕ちゃんは、目をゆっくり開く。
そして、私を見た。

裕ちゃんは、寂しそうなでも、スッキリしたような顔をしていた。
そして、いつもの優しい笑顔で言った。



< 66 / 78 >

この作品をシェア

pagetop