人魚がいた夏-第1部-

波音の顔を覗き込む。

少し困ったような顔をする波音がいた。




「ごめん」




ごめんな、波音






俺がこれからずっとお前のそばにいてやりたい



だから―




波音の唇に



そっと自分の唇を重ねた。





そっと。




甘い、甘い味がした。



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