人魚がいた夏-第1部-
大鷲の昂<BY*波音>
カバンから今日の宿題を取り出し、波音は机に向かった。
今日の授業なんて、さっぱり頭に入ってない。
帰り際、陸から言われた言葉も頭の中をぐるぐる回っている。
到底、宿題には集中できない、と想い、開きかけたノートをパタンと閉じる。
"お前って素直じゃねぇな"...
そんな事、自分だって知ってる。
素直になりたくて、でも素直になんてなれない。
私はどうしたらいいんだろう?
ふぅ..
閉じてしまったノートにため息をする。
雫は何であんなに素直にいれるんだろう?
そう考えたときはっと思いだした。