ドクター
「はいっ、終わったよ。
肺の状態はいいよ。
腹痛はない?」
青木先生に言われ、小さく頷く実加。
「斉藤先生、終わりましたよ。」
そういうと病室に入ってくる斉藤先生。
「そうだよね、実加ちゃんだって年頃の娘なんだからね。
好きな人に体を見られるのは、抵抗あるよね。」
その言葉に真っ赤になる実加。
少し不機嫌な顔の斉藤先生。
「それでも退院したら、そういうわけにはいかないだろ?」
と斉藤先生は実加に言う。
「だって~
今まで大丈夫だったのにぃ。」
「まぁ、そのうち恥ずかしいところも見せ合う仲になるだろうしっ!」
「青木先生っ!!!」
実加と斉藤先生は同時に叫んだ。
これには斉藤先生も真っ赤な顔だ。
「ごめん、ごめんっ。」
軽く謝る。
「青木先生、スープごちそうさまでした。」
少し落ち着いてから実加がお礼を言う。
「美味しかった?
あれはね、特別に食堂で作ってもらったんだ。
あれなら野菜の甘味だから、体には負担がないでしょ?
毎日の食事でああいう手の込んだものが食べれられればいいんだけど、病院にはすごい数の患者さんがいるからね。
今は美味しくないけど、食事を頑張って、早く家に帰って、手の込んだ栄養を考えた料理を食べて、病気を治そうね。」
そういって青木先生は部屋をあとにした。