ドクター

青木先生が立ち去ると病室には斉藤先生と実加の二人となった。
最近は二人だけになることが多い。
斉藤先生が実加の病室に、度々訪れるだけであるが。







「斉藤先生っ、今日は楽しかった。
ありがとう。」







上目遣いで立ったままの斉藤先生を見上げる実加。





「お、おう。
たまには外で新鮮な空気を吸わないと病んじゃうから。






これで今日のご飯がしっかり食べられるな。」








といえば実加はすかさず俯く。
そんな実加の顔を両手で挟んで顔を潰す斉藤先生。






「はひゃっ、めてっよっ。」







「ご飯、食べられるな!?」






「ひゃいっ!ひゃいっ!」 







顔が潰れたまま実加は返事をした。というよりも返事をさせられた。








チュッ







すかさずその顔に斉藤先生はキスをした。






実加は瞬間湯沸かし器のように、顔を赤らめた。






「も、もうっ!!!」







顔は元通りなのに、うまく話せない実加だった。
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