ドクター
夕方、食事が運ばれてきた。
今日は散歩といっても、車椅子に乗ってだけど中庭に出たので、少しはお腹がすいていた。
食事が運ばれた頃、タイミングよく病室の扉が開いた。
「み~か~。
食べれてる?」
「まだ来たばかりだよ~。」
斉藤先生が来てくれるのはとても嬉しいようだけど、食事を見られると思うと、気持ちが幾分か下がるようだ。
「はい、元気出して食べるよー!」
斉藤先生に声をかけられ、目の前の箸に手をつけた。
今日は散歩の効果が出たのか、残したのは少しだけだった。