ドクター
生活
斉藤先生と実加は、実加の卒業を待って、婚約をした。
二人の承認となるのは、もちろん院長。
院長は快く承認してくれた。
「実加ちゃん、実の奥さんになるからって、家事も炊事も無理しなくていいからね。
わしも手伝うし、わからないことがあったら何でも聞いてね。」
「ありがとうございます。」
実加は内心、不安だった。
高校卒業して、すぐに斉藤先生の奥さんになるなんて、想像もしていなかった。
本当に自分のような病気持ちで、未熟な人間に、果たして主婦、そして斉藤先生の奥さんが勤まるのか。
実加は無理して学校には行かず、テストだけを受け、残りの一ヶ月はほとんど家で過ごしていた。
そして卒業を迎え、すぐに入籍をした。
「実加、これからよろしくな。」
笑顔で実加にそういい、市役所を出た斉藤先生は、実加の手を握った。
実加は外で斉藤先生に手を握られることも初めてで、ドキドキが止まらなかった。
手を繋いで、どこを見て歩いていいのか。
「実加・・・・・・、緊張し過ぎ。」