ドクター
そんなことがあったからか、私はすっかり実さんに慣れてきた。
結婚して、初めて実さんと一緒に生活してる気持ちでいる。
入院していたところから、実さんとスタートしたから、出会った時と何も変わらずに過ぎてきたんだと思う。
入院生活は順調に進んでいった。
退院したら、実さんの帰りが再び遅くなって、なかなか会えない日が続くと思うと寂しかった。
ガラッ
実さん、来てくれた。
「実加、話があるんだけどいい?」
暗い表情でも明るい表情でもなく、実さんが入ってきた。
何だろう。
「大丈夫。
そんな悲しい顔しないで。」
え?私?
「そう?」
「うん。不安な顔。
でも、いい知らせだから。」
良かった。
「俺、この病院との契約では、一年ごとの更新だったんだ。
クリニックのことがあるからな。
そこで、今回の更新は申請を辞めて、クリニックに戻ろうと思う。」
それって・・・・・・
もっと一緒にいられるってこと?
「ほんと?」
「ハハ。嘘ついてどうする!!!
本当だよ。」
「嬉しいっ!!!
あっ、でもここの方が、実さんは勉強できるんじゃないの?」
「まぁ、そうだな。
それも考えて、ここの院長が、月、水はここで仕事をさせてくれる。それ以外はクリニックで働く。
月曜と水曜の中で、当直医が足りなかったら手伝いをすることになってるから、ちゃんと勉強できるよ。」
「そんな、大変じゃない?」
「ううん。
今までのことを考えたら、正直楽だし、ちゃんと家に帰って、実加に会えるなら、俺は嬉しいっ。」
う、その顔。ずるい。
胸がドキドキするよ。
チュッ
「じゃあ、また仕事終わったら来るよ!!!」
そういうと実さんは部屋を後にした。