ドクター

私は退院後、無理しないように家事をした。
疲れた時はちゃんと休むようにしてる。





そんなある日、退院後初めて体がだるくなった。





院長も実さんも、クリニックで仕事してる。
お昼に戻ってきたら言わなきゃいけない。





どうやって言ようかな。






そんなことをベッドで横になりながら考えていると、扉が開いた。











「実加?体調はどう?」






私がベッドで横になってるからか、実さんが聞いてきてくれた。





「う・・・・・・ん。
少し、だるくって。」  






そういうと、実さんは私の頭を優しく撫でてくれた。






「よく言えました。」






そっか、素直にいえばいいんだね。



  


「じゃあ、診察するね。」








うぅ、今だに診察となると慣れない・・・・・・。






「み~か。手をどかしてね。」






顔を真っ赤にしながら俯いてる私を無視して、実さんは私の服の中に手を入れて、聴診を始める。






はぁ、心臓の音が聞こえちゃうよ。






「はい、おしまい。よく頑張りました。
次は喉見せて。」




これは大丈夫。






「熱は?」






「さっき計ったけど、ないみたい。」






体温計を渡して実さんも表示を見て納得してる。





「だるいだけかな?
このまま横になってて。
今日は晩御飯、院長が作るって張りきってるから、実加はこのままね。」






そういうと実さんはリビングへ向かった。






なんだか感じたことのない胸騒ぎがしたけど、私はだるさに敵わず、眠りに落ちた。
< 154 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop