ドクター
私は退院後、無理しないように家事をした。
疲れた時はちゃんと休むようにしてる。
そんなある日、退院後初めて体がだるくなった。
院長も実さんも、クリニックで仕事してる。
お昼に戻ってきたら言わなきゃいけない。
どうやって言ようかな。
そんなことをベッドで横になりながら考えていると、扉が開いた。
「実加?体調はどう?」
私がベッドで横になってるからか、実さんが聞いてきてくれた。
「う・・・・・・ん。
少し、だるくって。」
そういうと、実さんは私の頭を優しく撫でてくれた。
「よく言えました。」
そっか、素直にいえばいいんだね。
「じゃあ、診察するね。」
うぅ、今だに診察となると慣れない・・・・・・。
「み~か。手をどかしてね。」
顔を真っ赤にしながら俯いてる私を無視して、実さんは私の服の中に手を入れて、聴診を始める。
はぁ、心臓の音が聞こえちゃうよ。
「はい、おしまい。よく頑張りました。
次は喉見せて。」
これは大丈夫。
「熱は?」
「さっき計ったけど、ないみたい。」
体温計を渡して実さんも表示を見て納得してる。
「だるいだけかな?
このまま横になってて。
今日は晩御飯、院長が作るって張りきってるから、実加はこのままね。」
そういうと実さんはリビングへ向かった。
なんだか感じたことのない胸騒ぎがしたけど、私はだるさに敵わず、眠りに落ちた。